4450人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう行く準備は出来てるな。」
「出来てるよ!」
「一応。」
それぞれの言葉で返事をした。
おっさんもちょっと嬉しそうに頷く。
そして、ポケットから、何かを取り出した。
太陽の光を浴びて、それはキラッと輝いた。
「・・・シルバー?」
「そう、シルバーアクセサリー。お前らにプレゼントだ!」
そう言って、おっさんは俺たちの手にそれを乗せた。
俺のは、くの字に曲がった片翼のネックレス。
策弥のは、逆くの字に曲がった片翼のネックレスだった。
太陽の光で輝きを増すネックレスを受け取り、思わず見てしまう。
これ、もしかして、
「手作り?」
俺が聞く前に、策弥が口を開く。
大切そうにネックレスを握って。
「そうだよ、俺、こういうの初めてだから、ちょっといびつなんだけどね。」
「いやいやいや、めっちゃカッコいいよ!おっさん、ありがとう!!!」
策弥はおっさんに抱きついた。
俺も感謝の言葉を述べ、素直に抱きつく。
いや、なんとなく抱きついた方がいいと思ったから。
なんか、後悔しそうな気がしてならなかった。
「おっさん、ありがとう。」
もう一度、おっさんの胸のなかで言う。
なんか、照れ臭かったけど、やっぱり嬉しいもんは嬉しい。
三人で笑い合った。
最初のコメントを投稿しよう!