第二章

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「もう行く準備は出来てるな。」 「出来てるよ!」 「一応。」 それぞれの言葉で返事をした。 おっさんもちょっと嬉しそうに頷く。 そして、ポケットから、何かを取り出した。 太陽の光を浴びて、それはキラッと輝いた。 「・・・シルバー?」 「そう、シルバーアクセサリー。お前らにプレゼントだ!」 そう言って、おっさんは俺たちの手にそれを乗せた。 俺のは、くの字に曲がった片翼のネックレス。 策弥のは、逆くの字に曲がった片翼のネックレスだった。 太陽の光で輝きを増すネックレスを受け取り、思わず見てしまう。 これ、もしかして、 「手作り?」 俺が聞く前に、策弥が口を開く。 大切そうにネックレスを握って。 「そうだよ、俺、こういうの初めてだから、ちょっといびつなんだけどね。」 「いやいやいや、めっちゃカッコいいよ!おっさん、ありがとう!!!」 策弥はおっさんに抱きついた。 俺も感謝の言葉を述べ、素直に抱きつく。 いや、なんとなく抱きついた方がいいと思ったから。 なんか、後悔しそうな気がしてならなかった。 「おっさん、ありがとう。」 もう一度、おっさんの胸のなかで言う。 なんか、照れ臭かったけど、やっぱり嬉しいもんは嬉しい。 三人で笑い合った。
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