第二章

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おっさんから名残惜しそうに離れた俺たちは、もらったネックレスを首にかけた。 最高のプレゼントだった。 「よし、行くか。皆も待ってるし。」 「皆?」 「そう、おじいちゃんやおばあちゃん。お見送りがしたんだと。」 「へぇ!俺も皆に会いたいわ!」 横一列で玄関に向かった。 右から俺、おっさん、策弥の順だ。 高松さんは、その一歩後ろを歩いていた。 玄関も、物が倒れて悲惨な状態だった。 俺と策弥は幾つかの靴をカバンにしまい、そしてスニーカーを履く。 つま先で地面をつつき、振り返った。 窓ガラスは全部破壊された俺たちの家。 けど、やっぱり俺達の家。 赤い屋根なのは、かっこいいから。 そんなおっさんの言葉を思い出しながら、俺はゆっくりと我が家を見つめる。 「今度、いつ戻ってこれるだろうね?」 靴を履き終わった策弥は玄関を飛び出し、そして俺の横に並ぶ。 俺はボストンバックの肩ひもを握った。 「さぁ?けど、戻ってこれるよ。」 「だよね!」 そう言うと、策弥は海の方を見た。 「うっし!元気でたー!皆に会いに行こう!」 「元気でたって、お前、元気なかったのかよ。」 「んにゃ、あったけど。更にでたってこと。」 「何だよ、それ。」 俺はぷっと吹き出し、空を仰ぐ。 そして、ふーっと息を吐いた。
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