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「うっひゃ~!くすぐったいよ~!」
皆に体をなでられ、クスクスと策弥は笑い声をあげた。
一人思う存分撫でたら、また一人と。
交代で全員が俺達の体を触ってきた。
そして、俺たちはそれを受け入れる。
皆の手は暖かかった。
そして、最後に来たのは、
「策、拓。」
おっさんだった。
「おっさん!」
「うーし、策弥、良い子だから東京行っても、皆に迷惑かけるんじゃねーぞ。」
そして、勢いよく策弥の頭をなでる。
ぼさぼさになった策弥の髪は、太陽の光を浴びて、綺麗な茶色になっていた。
「次は、拓だな。」
おっさんは俺を見る。
そして、その大きな手を俺の頭にのせた。
そして、ゆっくりと左右と動く。
「策のこと、よろしくな。」
「・・・分かった。」
「よし、良い子だ!」
嬉しそうに撫でる手に力を入れたのか、俺の頭は段々と下がっていく。
若干中腰になった所で、ようやく撫でる手を止めた。
そして、今度は両手を広げる。
「さ~て、こいっ!策!拓!」
そう叫ぶと、また笑顔になった。
俺と策弥はお互い見合い、俺たちも笑みをこぼす。
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