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「ほいきたあああぁっ!!!!」
策弥が叫び、俺たちは同時にカバンを下ろす。
写真立てが入っているリュックはゆっくりと降ろしたため、策弥からワンテンポ遅れる。
そして、先に策弥がおっさんにタックルする。
俺も力入れて、おっさんにタックルした。
大きな腕が俺達を包む。
小さい頃から、この胸に守られて来た。
そんなことを思うと、ちょっと目頭がウルッてくる。
俺は泣きそうな感情を押し殺し、体全部おっさんに預けた。
策弥もおっさんの胸に顔を埋め、俺の背中にも手を伸ばした。
「おっさん!すぐ戻って来るから、待ってて!」
「あぁ、待ってるぞ。」
そう言うと、おっさんの腕に力が入った。
力強く俺達を抱きしめた。
そして、ゆっくりと俺達から離れる。
「元気でな。俺のこと、忘れるんじゃないぞ。」
「あったりまえじゃん!おっさんもね!」
「家族だろ、何言ってんだよ。」
「・・・そうか、ありがとう。」
そして、最後に、ゆっくりと俺たちの頭を撫でた。
「翔太。」
おっさんは幼馴染の名前を呼ぶ。
高松さんは声を聞いて、携帯を切った。
そして、彼に近づく。
俺たちは地面に下ろした荷物を再び持ち上げた。
そして、台車に手をかける。
絶対に重い。
二人で三つ持てるかな・・・・。
あ、高松さんもいるし、頼もう。
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