第二章

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隣ではしゃぐ策弥を視界の隅でとらえ、俺はふと空を見た。 へぇ、ヘリコプターか。 本でしか見た事ないから、ちょっと楽しみだな。 「拓弥、前を向いてないと、転ぶぞ!」 「おばあちゃんが、その荷物運んであげようか?」 「拓弥、前!前!」 後ろから、沢山の声が聞こえる。 俺は振り返り、笑った。 もちろん、荷物はそこそこ重いので、丁重にお断りした。 先を歩く策弥の数歩後ろに俺が歩く。 そして、島の皆は俺の腕を触ったり、服をつかんだり。 ちょっと面白かった。 おっさんを先頭に、青樹島の住人の行進は、裏の海辺まで続いた。 エンジンを止めて、一つのヘリコプターがそこにあった。 初めて見るヘリコプターに、俺も策弥もテンションが高かった。 「うっわ、すっげー!」 「確かに。かっこいいな。」 ヘリコプターに近寄り、ちょっと触ってみる。 ひんやりとした鉄が、手に伝わってきた。 もちろん、俺達だけじゃない。 島の住民もヘリコプターの周りに集まった。 「俺達、これに乗るんだっけ。」 「あぁ。」 「空を飛ぶんだ~。なんか、楽しみ!」 既に知らない大人が乗っており、荷物を先に乗せてもらった。 俺、策弥の順で荷物を中へと運ぶ。 そして、高松さんの力も借りて、段ボールも先に乗せた。
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