第二章

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「うっし、準備はオッケーだな。あとは君たちが乗るだけだ。」 「「・・・・。」」 いざその時になると、言葉が見つからない。 やっぱり、皆と離れるのは寂しい。 暗くなる俺たちの顔を見て、高松さんは数分だけ時間をくれた。 「おっさん!」 ヘリコプターから離れ、俺と策弥は一目散におっさんに近づく。 そして、またタックルし、抱きついた。 「やっぱり、さみしいよ。」 先に策弥が弱音を吐いた。 「俺も、寂しい。おっさん、やっぱり一緒に・・・。」 「だーめだ。まずは二人。」 おっさんは頑なに拒否した。 そんなおっさんを見て、やっぱり悲しくなる。 島の皆もそうだった。 誰かのお通夜みたいに、空気が重い。 涙が出てきそうだった。 「おっさん、最後に一言いい?」 そんな沈黙を策弥が破る。 俺も、おっさんも、島の住民も、皆策弥を見た。 「俺、青樹島が大好きだ!島の皆も俺の大事な家族!皆、皆、大好きだ!そして・・・」 海を背景に、策弥は大声で言った。 両手を広げ、皆に最後の言葉を言う。 「おっさん、いや、お父さんも大好きだ!」 「・・・・っ!!!!」 おっさんが口元を右手で覆う。 島の皆も、涙を流したり、鼻水をすすったり、嬉しそうに策弥の言葉を聞いた。
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