第二章

26/48
前へ
/74ページ
次へ
俺も。 「俺も、皆が大好きだ!ちゃんと戻って来るから!皆、待ってて!!!」 策弥の後に、俺が続く。 涙が出そうなのを必死に堪え、これでもかっていうくらいに声を出した。 「俺も、お父さんが大好きだ!誇りに思う!お父さんも、皆も、俺の家族だ!」 耐えていた涙が、次々に溢れる。 必死にシャツで拭き取るも、隠しきれなかった。 ふと顔をあげると、今度はおっさん、そして、皆がこっちに向かってきた。 先におっさんが俺たちに到達し、俺達を抱きしめる。 「ありがとう、策、拓。こんな俺をお父さんって呼んでくれて。」 顔は見えなかったけど、泣いているのは分かった。 腕も震えてた。 俺は全身におっさんを感じながら、口を開いた。 「本当の親子じゃないけど、おれたちにとっては大切な家族だよ、父さん。」 「お父さん、待っててね。」 「拓・・・、策・・・。」 更に腕に力が入る。 抱きしめるおっさんの後ろから、島の住民が抱きつく。 何分経ったのだろう、俺達を中心に島の住民と一つになっていた。 ふとおっさんの胸元を見る。 そこには、同じシルバーアクセサリー。 翼を広げた形をしたネックレスだった。 「これは・・・。」 少しだけおっさんから離れる。 おっさんは、ニコッと笑った。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4451人が本棚に入れています
本棚に追加