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俺も。
「俺も、皆が大好きだ!ちゃんと戻って来るから!皆、待ってて!!!」
策弥の後に、俺が続く。
涙が出そうなのを必死に堪え、これでもかっていうくらいに声を出した。
「俺も、お父さんが大好きだ!誇りに思う!お父さんも、皆も、俺の家族だ!」
耐えていた涙が、次々に溢れる。
必死にシャツで拭き取るも、隠しきれなかった。
ふと顔をあげると、今度はおっさん、そして、皆がこっちに向かってきた。
先におっさんが俺たちに到達し、俺達を抱きしめる。
「ありがとう、策、拓。こんな俺をお父さんって呼んでくれて。」
顔は見えなかったけど、泣いているのは分かった。
腕も震えてた。
俺は全身におっさんを感じながら、口を開いた。
「本当の親子じゃないけど、おれたちにとっては大切な家族だよ、父さん。」
「お父さん、待っててね。」
「拓・・・、策・・・。」
更に腕に力が入る。
抱きしめるおっさんの後ろから、島の住民が抱きつく。
何分経ったのだろう、俺達を中心に島の住民と一つになっていた。
ふとおっさんの胸元を見る。
そこには、同じシルバーアクセサリー。
翼を広げた形をしたネックレスだった。
「これは・・・。」
少しだけおっさんから離れる。
おっさんは、ニコッと笑った。
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