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「行ってきます。」
俺はそうつぶやくと、ヘリコプターの中へと入っていった。
「翔太!息子をよろしく頼むな!」
「あぁ、任せとけ!章、元気でな!!!!あと、そろそろ時間が危ない!」
「分かってる!!!」
「ヘリを起動するから、離れろよ!」
「じゃぁな、翔太!」
父さんはそういうと、手を大きく振り、そして、ヘリコプターから離れた。
高松さんも、手を振り、ドアを閉める。
バタンと音をたて、俺たちは島の皆は別々になった。
ババババババと轟音をたて、ヘリコプターを中心に風が舞う。
島の住民はヘリコプターから離れ、俺たちを見ていた。
そして、
「離陸する。」
その言葉の直後、機体が浮いた。
ふと窓の外を見る。
皆、こっちを見て手を振っていた。
そして、一人、また一人と去っていく。
「あれ?」
ふと策弥が言葉を漏らす。
両手を窓にべったりとつけて、下を眺めていた。
窓側に座る策弥越しに、俺も外を眺める。
「皆、奥に行ってる・・・?」
徐々に離れていく島でも、策弥はしっかりと皆の姿をとらえていた。
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