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「拓弥!!!島が!!!傾いてる!!!!!!」
俺は耳を疑った。
島が傾くなんて、ありえない。
けど、視野はそれを否定する。
島が斜めになり、そして、ゆっくりと海に沈んでいく。
「父さん!!!!」
「父さん!!!!皆!!!!!」
思わず窓を叩く。
操縦者が「落ち着け」と叫んでいたが、それどころじゃない。
落ちつけるか!!
海へと沈む島を、俺たちは空から見ていた。
全力で窓を叩き、皆の名前を呼ぶ。
涙が頬をつたり、声が上擦る。
鼻水を必死にすすり、父さんと叫んだ。
「高松さん!」
策弥が振り返り、助けを求める。
けど、高松さんは「落ち着け。」の一言だけ。
思わず頭にきた。
窓を叩いてた手を下ろし、握りこぶしを作った。
そして、それを今度は高松さんに向ける。
「降ろしてください。」
「駄目だ。」
「降ろしてください。」
「駄目だ。」
「降ろしてくださいっ!!!!」
「駄目だっ!!!!!」
策弥より低い声がヘリコプター内でこだまする。
見た目以上に威圧的な声を出した高松さんに、策弥は呆然と見た。
俺も、何も言えなかった。
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