第二章

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ただ、ヘリコプターの音が機内に響いた。 さっきまで「落ち着け」と叫んだ操縦者も、一言も言わなかった。 ふと窓の外を見る。 島はもう、 なかった。 「何で・・・。」 涙を流し、策弥が呟く。 「何で、俺達だけなんですか・・・。」 「・・・・。」 「何で、俺達だけ生かされているんですか。何で、皆は知っているんですか。何で、俺たちは知らされていないんですか・・・・。」 策弥の必死の言葉に、俺は眼を伏せる。 胸倉をつかみかかる策弥を見て、ズボンの太ももあたりを強く握る。 手は震え、下唇を噛みしめる。 じわじわと鉄の味が口の中で広がるが、お構いなし。 何もかも破壊したい衝動にかられた。 徐々に離れていく島があった場所。 言葉が出なかった。 真っ青な海がただただ広がっていた。 「降ろしてください!・・・お願いします、降ろしてください・・・。俺も、父さんたちと死・・・・」 高松さんのシャツを握る手が弱まる。 頭を徐々に下げ、最後の方は嗚咽でよく聞き取れなかった。 うざいくらいに晴天。 この時だけ、太陽を恨んだ。
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