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「えっ…そんな事が出来るんですかっ?!」
「可能ですよ。最上先輩くらいパソコンに強くないと無理ですけど。」
「すっげぇ…」
驚きの声を上げた範人の言葉を、すかさずシオンが肯定。魁の口からは感嘆の声が漏れた。
「ま、特技の一つだからね。早速始めるけど…魁君、襲われた場所とか、相手の特徴なんかを覚えてるだけ全部教えてくれるかな。」
「あっ、ハイ!」
苦笑を零しながら聞く蒼太に、魁はたどたどしいながらも覚えている限りの情報を伝える。
それを蒼太は次々とパソコンに入力し、そしていつの間にか、ディスプレイにどこかの監視カメラの映像が映し出された。
流れる映像には、魁と数人の男子生徒が映し出されている。
それは明らかに普通の検索等で見られる映像ではない。
「コレって…」
「商店街の監視システムにハッキング掛けたらあっさり見つかったよ。」
「ハッキング?!」
「コツさえ掴めば案外簡単に出来たりしますよ?商店街くらいなら。」
あっさりと言う頭脳派二人にただ唖然とする魁と範人。
更に制服から学校を割り出し、個人情報まで探し出そうとしている。
「人間誰しも弱みのひとつやふたつ、ありますからね♪」
「いやー、楽しみだ☆」
心底楽しそうな二人が怖い。
この二人だけは絶対に敵にしたくないと思う魁と範人だった。
【真に恐ろしいのは】
(身体的暴力よりも)(精神的暴力。)
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