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「ねぇ、ココ座ってもいい?」
「他にも席は空いてるわ。」
「1人で飲むより2人の方が楽しくない?」
「そうとは限らないわ。」
「もしかして迷惑だった?」
「別に。」
それっきり彼女は黙ったまま外を眺めてカクテルに口を付け始めた。
何を話しても乗ってこない。
こんなの初めてだ…。
どうしようか考えてると、意外にも彼女から話しかけてきた。
「彼女、いいの?」
「へ?」
「だから彼女、いいの?」
「あぁ…大丈夫だよ。」
「そう。」
また沈黙…。
年上・タメ・年下、どんな場合でも俺はこんな沈黙を経験した事がない。
寧ろキッカケは俺が作っても、その後は女どもが俺の気を引こうとしてきた。
今回だってその予定で話し掛けたんだし。
一向に話し掛けてくる気配が無いので、俺は思わず話し掛けた。
「ねぇ、名前なんていうの?」
「知りたかったらまず先に名乗りなさい。」
彼女に少しムッとしながらも名前を言った。
「俺は悠斗。」
「そう。」
また会話が途切れた。
…って、名乗らないのかよっ!?
「君の名前は教えてくれないの?」
「先に名乗りなさいとは言ったけど、名乗ったら教えるなんて言った覚えはないわ。」
なんだこの女…ムカつく!!
「そう、邪魔して悪かったね。
俺、戻るから。」
「別に気にしてないわ。」
その’気にしてない‘って…。
話し掛けた事を怒ってないって意味か?
それとも、俺の存在そのものを気にしてないって事か?
後者だったら、マジでムカつく。
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