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「くそ、まじかよっ!」
突っ立っているわけにもいかず、時間稼ぎとして3点バーストに切り替え、階下に向かって威嚇射撃を行う。
下からは弾切れも気にせず、雨あられと打ち込んできていた。
「これは本格的にやばい」
パラパラと天井からは破片が散ってくる。
「ええい、ままよ!」
3点バーストでは威嚇にもならないと感じ、仕方なくフルオートに戻して弾の限り撃ち散らした。
600発/分の速射機能を持つライフルは、すぐに弾が底をつきる。
用を成さなくなったライフルを階下に投げ捨てると、男は屋上に出た。
見ると、いまだ迎えはない。
だが、遠くの空の星の瞬きの合間から何かが飛んでくるのが見えた。
「あれか!」
男はすぐさま走り出し、屋上の端に向かった。
「いたぞ! 絶対に逃がすな!」
いつの間にか屋上に辿り着いた追っ手が、男に向けて発砲を開始する。
気づいた男は即座に横っ飛びで銃弾を交わすが、わずかに一発、足を捉えた。
「くっ!」
溢れ出す血と激しい痛みに気を殺がれる。
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