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「リリコさん、ワカセリリコさん」
私はその声でゆっくりと目を開けた。
落ち着いた男性の低い声がマイクか何かを通してわんわんと響いている。
不思議な夢だ。
私は今、夢から目覚めた夢を見ているのだ。
まず最初に見えたのは天井だった。
薄いブルーに軟らかそうな白い雲が浮かぶ壁紙。
あちらこちらに鮮やかな色のプラスチックの花や、蝶々やらが天井から伸びたチェーンにぶら下がっている。
顔を傾けるとわきに天蓋のついたお姫様ベットが見え、濃いピンク色の絨毯の上にはあちらこちらに沢山のぬいぐるみが転がっていた。
ここはどこだろう?
その部屋は幼い少女の部屋の様だった。
あちらこちらが可愛らしく飾られている。
汚い体育倉庫などではない。
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