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「ここって…"禁じられた部屋"じゃないですの!」
「えへへーナイショだよ!」
「先生に怒られちゃうよ~…」
そこは普段から入ってはいけないと指導されている部屋。普段は自ら近づいたりはしないのだが、目の前にあるのなら話は別だ。ダメだと言われるほど興味をひかれるのが人間の心理。
腰がひける二人をよそに、愛流は軋むドアを開けた。そこには古い本やこれは一体何に使うのかと思うようなものが散乱した埃っぽい部屋。一歩踏み込むと、床がぎしりと音をたてる。
「"禁じられた部屋"なのに鍵かかってないんですのね…」
「ねえやめようよ~ボク怒られるのやだよ~」
袖を引っ張るひかるをよそに恐る恐る部屋に踏み込む玲菜。
「これこれ!」
「…この汚らしいホウキはなんですの?」
愛流が手にしている埃をかぶった大きなホウキ。愛流の背丈と同じほどある。
「わたくしはそんなホウキより魔術書の方が気になりますわ」
ほら、と玲菜は古ぼけた分厚い本を手に取る。
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