4人が本棚に入れています
本棚に追加
おわりに
ルワンダの大虐殺は、何十年も前の昔話ではない。
ルワンダで大虐殺が起きたのは、1994年。
ジャーナリズムも科学も経済も発達した、90年代の出来事なのだ。
もちろん私はもう生まれていた。
7歳。小学生だった。
学校へ行き、家で家族と暮らす。それが当たり前だった。
世界のどこかで、そんな凄惨なことが起きているなんて、微塵も思わなかった。
「子どもだったから仕方ない」?
そんなことあるわけない。
その時、ルワンダでは私と同い年の、あるいはもっと幼い子どもたちが、ナタで切り殺されていたのだ。私が学校へ行き、友達と遊び、ご飯を食べている、その時に。
知らねばならない事実がある。
事実を、自分には難しい、理解できない、と遠くへおくのはやめよう。確かに政治や歴史の問題、民族の対立なんて、私にはあまりにも考えが及ばぬレベルの話だ。
けれど、あの時殺された子どもたちだって、それは同じだったんじゃないのか。両手で足りるような年の子どもたちに、なぜみんなが争い殺しあうのか、「政治的・歴史的背景」なんて、わかり得なかったに違いない。
それでも、彼らは命を刈りとられた。その大きな流れの中で。
私たちはたくさんのことを知らなきゃいけない。
知ることが第一歩だ。
わかるよりもまず、知らなきゃ。わからないから考えない、わからないから知らないなんてのは、大きな罪だ。
だから私は、一人でも多くの人に、この作品を見て欲しい。
切にそう願う。
最初のコメントを投稿しよう!