おわりに

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おわりに

ルワンダの大虐殺は、何十年も前の昔話ではない。 ルワンダで大虐殺が起きたのは、1994年。 ジャーナリズムも科学も経済も発達した、90年代の出来事なのだ。 もちろん私はもう生まれていた。 7歳。小学生だった。 学校へ行き、家で家族と暮らす。それが当たり前だった。 世界のどこかで、そんな凄惨なことが起きているなんて、微塵も思わなかった。 「子どもだったから仕方ない」? そんなことあるわけない。 その時、ルワンダでは私と同い年の、あるいはもっと幼い子どもたちが、ナタで切り殺されていたのだ。私が学校へ行き、友達と遊び、ご飯を食べている、その時に。 知らねばならない事実がある。 事実を、自分には難しい、理解できない、と遠くへおくのはやめよう。確かに政治や歴史の問題、民族の対立なんて、私にはあまりにも考えが及ばぬレベルの話だ。 けれど、あの時殺された子どもたちだって、それは同じだったんじゃないのか。両手で足りるような年の子どもたちに、なぜみんなが争い殺しあうのか、「政治的・歴史的背景」なんて、わかり得なかったに違いない。 それでも、彼らは命を刈りとられた。その大きな流れの中で。 私たちはたくさんのことを知らなきゃいけない。 知ることが第一歩だ。 わかるよりもまず、知らなきゃ。わからないから考えない、わからないから知らないなんてのは、大きな罪だ。 だから私は、一人でも多くの人に、この作品を見て欲しい。 切にそう願う。
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