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「ねぇ…早くっ、こっちに来てよ」
あたしは保健室のドアに鍵をかける正紀(まさき)を急かした。
「あっ、はい」
少し焦りながらベッドに座っているあたしの横に正紀は座った。
正紀は高校1年生。2コ下の同じバスケ部の後輩で人懐っこくてカワイイ。
弟のように可愛がっていた正紀にまさかこんな事を言われるとは思わなかった。
1時間前…
「オレ、ずっと愛先輩の事が好きでした。付き合って下さい。」
体育館の裏に呼ばれて告白された。
正直嬉しかった。
正紀は結構イケメンだし、優しいし、カワイイ性格してるから。
でも…
だからこそ
本心を言わなきゃいけないと思った。
「ごめん。あたし、好きな人がいるから付き合えない。」
「そうですか…」
ガッカリしてる正紀を見て思わず
「でも、セフレなら…なれるけど?」
「え!?」
顔を真っ赤にしながら下を向いていた顔を上げた。
「こんな女で幻滅した?」
「いやっ、そんなっ!てか愛先輩はいいんですか!?」
「うん。じゃあ早速どっか2人になれる所に行こ。」
正紀の手を引いてあたしは歩き出した。
今は放課後。
今日は顧問の先生が休んだから部活は休みだった。
保健室を覗いて見ると誰もいなかったからこっそり入った。
緊張している正紀がカワイイ。
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