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パンフには設立した当時の写真と説明書きが書かれていた。
桜塚杜学園……。
名前の由来は、この辺一体が桜の樹で埋め尽くされて居たらしいのだが、塚と聞くと昔のお墓を思い出してしまう。
パンフを眺めながら考えているとアナウンスが入った。
『次は桜塚杜前~桜塚杜前!お降りの際は……。』
駅の名前にもなる程の桜の森なのだろうか?
駅の改札を出ると、桜の樹が所々に見てとれる。昔の名残なのだろう…。
そのまま少し歩くと、一際目立つ建物が目に入ってくる。パンフにあった桜塚森学園だ。
建物の方角へ足早に進むと程なく門が見え、その横に守衛室が有る事が解った。
『あの~、すいません此処の生徒なんですが、今日初めて登校したんですが…。』
守衛室の窓越しに中の守衛の人に声をかける。
『アァ、聞いてるよ。初日から遅刻している子がいるから宜しくってね!ちょっと待っていてくれるかな?』
何処かに電話を掛け、話終わると門を開けてくれた。
『連絡しといたから、職員室にそのまま行くといいよ、玄関ロビーに入って左に行くと職員室だ。』
とにこやかに教えてくれた。
守衛さんに一瞥し、
玄関ロビーへと足を進める。
『かなり広い学園だなぁ~。』
すぐに迷いそうだ…。
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