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前説が終わったのか、先生は扉を開き、僕を教室へと招き入れた。
『さて、先程説明した水部時耶君だ。』
そう言いながら僕を教壇の前に連れて行き目配せをする。
『え~と、初めまして!水部です、これから宜しくお願いします。』
僕が喋ってる間に荒滝先生が、黒板に僕の名前を書いていた。
『水部って書いてミブと読むのは珍しいね。』
と、何か関心した様に頷きながら僕に振る。
『そうですか?余り気にした事が無いので解りません…。』
『アァ、そうかぁ…。えーと、席はどうするかな?橘の横は、今日は空いていたよね?』
『ハイ、欠席で空いてます。』
『じゃあ、そこに座って貰うかな?水部君、彼処の空いてる席に座ってくれるかな?』
荒滝先生に指された席に座り、前を向く。
『橘、席隣だし色々教えてあげてくれると助かるんだけどな…。』
荒滝先生に言われ、隣に座る橘という女子生徒が返事をした。
『ハイ、解りました。後で説明しておきますね。』
(少しも嫌な顔をせずに引き受けてくれるなんて良い子なんだな。)
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