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『じゃあ、これからの一年、皆もよろしくな。』
荒滝先生の言葉もろくに聞かず、一人の世界に入っていると、授業終了のチャイムが鳴った。
荒滝先生に皆一瞥し、先生は教室から去っていった。
『じゃあ、何から説明しましょうか?』
隣に座る橘と呼ばれていた女子生徒が言う。
『私はさっき呼ばれていた通り、橘って言うの宜しくね!』
挨拶を交わしていると、数人の男子生徒がやってきてそちらに顔を向けた。
『水部だっけ?宜しくな!俺は、新城庵。』
ちょっと慣々しい感じも有るが、良い奴ぽい。
『ちょっと!新城君!学園の説明しないといけないんだけど…。』
と、橘さんが新城達に強めの口調で言った。
『あ、悪ぃ悪ぃ…!んじゃ、また後でな!』
そう言うと新城達は元居た場所にへと戻っていった。
『アァ、…もう時間が余り無いね…。』
橘さんが腕時計をチラリと見ながら呟く。
『ごめんね?貴重な休憩時間なのに…。』
僕は頭を下げながら彼女に謝る。
『良いの、一度引き受けた事だもん。お昼の休憩と、放課後に時間があれば学園を回ってみる?』
『うん!お願いできるかな?橘さん。』
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