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中に入るとたくさんの実験器具や装置で雑然としている研究室の奥に白衣を着た後姿が目に入り、
コーヒーのいい香りがする。
私は思わずフフッと笑い、声をかける。
『おはようございます、先生。』
「あぁ、おはよう、今井さん。今、コーヒーを淹れたところなんです。一緒に飲みますか?」
『えぇ、いただきます。』
わたしは自分のデスクに荷物を置いて、先生の元へ行く。
先生はコーヒーにこだわりがあるらしく、サイフォン式の道具一式を研究室に持ち込んでいる。
コーヒーは好きだけど、道具に詳しくない私には全然わからない。
でも、朝、研究室で飲む先生が淹れてくれたコーヒーは他とは全くちがうし、
先生と一緒にコーヒーを飲む時間は私にとって至福の時間だ。
「はい、どうぞ。」
『ありがとうございます。』
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