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僕は子どもの頃から読書が好きだった。 これは母親が絵本の読み聞かせを良くしてくれたお陰だと思う。 本の中でもハッピーエンドで終わる話が僕は好きだ。 どんな名作でも、フランダースの犬のように最期が悲しい終わり方だと読後に寂しさを感じてしまうからだ。 壱千万はハッピーエンドで終わらせたいという気持ちはあった。 執筆当初から、この小説の最後の一文は「色々あったけど今、僕は幸せです。色々あったから今の僕は幸せです」と決めていた。 しかしこの時の僕は幸せとは程遠かった。 ギャンブルは辞めたものの依然生活は苦しく夫婦仲も冷え切っていた。 スロット引退後、変わったことと言えばモバで小説を書き始めたくらいのものだった。
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