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終夜のことを知らない囚人はいない。
囚人達のコミュニケーションの場ではたいてい問題を起こしている。
殴る、蹴るなどの暴行。
箸やフォークでの突き刺し。
非道い時には殺人までするのだ。
しかし終夜は元から死刑囚なので、何も怖くなかった。
その日も終夜の周りは半径1m、1人を除いて離れていた。
近くにいたのは浩太だ。
「おいお前!!なぜ俺から逃げようとしない!?」
「何で逃げる必要があるんだい?」
終夜は驚いた。
「もしかして…お前俺のこと知らないのか?」
「新入りなもので…。」
「じゃあちょうどいい。俺の話相手になれ。」
その会話を聞いていた囚人達は驚いた。
絶対このオッサンは終夜に殺されると思ったのに…。
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