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「おじゃましまーす…」
「どーぞ」
付き合ってからはじめて招かれた、カレシのおうち。
同じグループでかなり遠回りして、やっとくっついたおれたち。
もうすぐ一ヶ月経つけど、ふたりきりはいまだ緊張するんだ。
あかにしは(いまだ名前さえも呼べない)俺の前ではテレビ以上にクールで、
それは溝があった期間が長かった分しかたないのかも知れないけど、
本当は、ちょっとさみしい。
冷たい訳じゃないけど、なんかもっとこう……カップルらしくなりたいな、とか思う。
でも、めんどくさいとか思われたら生きていけないから、女々しい自分には蓋をする。
「あ、そのへんテキトーに座ってて」
「はーい」
キッチンでなにか用意してくれてるらしいあかにしを横目に、ローテーブル前のソファーに腰掛けた。
きょろきょろと周りを見渡す。
(意外ときれい……ん?)
たまたま落とした視線の先、ローテーブルの下から何か出てることに気がついた。
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