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あかにしは両手に持ったカップを乱雑にローテーブルに置いて、俺の手からそのカレンダーを奪い取った。
「あかにし…顔、まっか…」
「それ、あかにしが書いた、んだよね?」
こくり、頷く姿にキュンと胸が泣いた。
「誕生日とか記念日とか、気にするタイプなの?」
すげー意外、と付け加えれば、すんと鼻をすすって恥ずかしそうな顔をあげた。
「…お前だから。亀梨だから…浮かれてたの!」
きっと今ほっぺた同じ色、俺もまっか。
「あかにしって、クールじゃないの?」
「………亀梨の前ではかっこつけてた」
「そう、なんだ…」
「本当は名前で呼びたいし呼ばれたいし、もっとこう………」
「…なに?」
「…カップルらしいことしたい」
俺はまたぼんっとあかくなった気がするけど、同じ気持ちだったことが、素の姿を見れたことが、うれしくて。
「じ、ん」
はじめて呼んだ名前に、照れ臭そうに笑った顔に、好きがまた大きくなった。
fin.
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