せんたくもの

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久しぶりのオフ、 目覚めると空は眩しいくらいの快晴だった。 じんの腕の中からそ~っと抜け出して、伸びをひとつ。 溜まった洗濯物を洗濯機にぽいぽい放り込んで、スイッチを押した。 起きてまず洗濯って… (最近の俺、主婦化が進んでる…) そんな自分に苦笑して、 でもそんな自分が嫌いではない。 お気に入りの柔軟剤を入れる。 これで同じニオイ、お揃いの匂い。 このせんたくものに袖を通すとき『かめのニオイがするー』って笑うじんが思い浮かんで、ほわり心が綻んだ。 「…かめぇ、おはよ~… なに笑ってんの?」 綻んだのは心だけじゃなかったみたいだ。 なんでもない、と笑っておはようのキスを。 ごうんごうん、 洗濯機の回る音、しあわせなオフのはじまり。 fin.
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