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「かめ~なんか食って帰る?」
(俺の予定は仕事以外ないのかよ…)
雑誌の撮影が終わり、今日の仕事もこれでおしまい、
イラっとしてみても、当たり前のように聞いてくる、この関係がやけに嬉しくて。
「え~…じんは何食べたい?」
「かめ!」
真剣な顔で即答したじんに蹴りを入れて、楽屋を出た。
「うそ、ごめん、怒んないで。
かめの親子丼食べたい」
「えーまたぁ?
こないだも食ったろ」
前に作った親子丼を随分気に入ったようで、事あるごとに要求してくる。
「おいしいもん」
「じゃー鶏肉全部使ったからスーパー寄ってこっか」
じんの車に乗り込んで、いつものスーパー。
手に取ったカゴはさらり奪われて、鶏肉コーナーへ向かう足。
ついて行けば、適当なパックをカゴに入れるから、グラム数とか色々確認して別のと取り替える。
「なにニヤニヤしてんの?」
「だって主婦みたいなかめ、かわいー」
へにゃへにゃご機嫌な笑顔を横目にお菓子コーナーへ歩き出す。
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