3394人が本棚に入れています
本棚に追加
/820ページ
四 キスで目覚めた姫と王子
☆体育館裏☆
[風音]
「なんですか、ゆー。こんな所に呼び出して」
[優]
「よぉ、キリバーカノン。僕の言いたいこと、解るよ……な?」
[風音]
「体育館裏……放課後……はっ、まさかこれは告白!! 申し訳ありません、自分ノンケですから同性はちょっと、いや凄く勘弁して下さい」
[優]
「ノンケだって構いやしねぇよ。僕はノンケだってホイホイ食っちまうからなぁぁぁっておぉぉぉい!! ちゃうやろ、体育館裏っつったら男のサロンだろ? 男っつったら拳での語らいだろ?」
[里久]
「すいません、風音さん。うちの馬鹿兄貴が久し振りの出番で興奮してるみたいで……」
[冬哉]
「そうか? いつもと変わらないような気がするけどな。見てて楽しいぜ?」
[優]
「おい、バカ。てめぇ一人で来いっつったよな?」
[風音]
「えぇ、自分は一人で来ましたよ」
[冬哉]
「面白そうな香りがしたもんで、つい」
[優]
「つい、じゃねぇよ!」
[里久]
「風音さんの香りがしたもので、つい」
[優]
「お前はどさくさに紛れて何言ってるんだよ!? 家帰ったらあれな、尋問な!?」
[風音]
「帰っていいですか? このあとバイトが控えているので」
[優]
「待って、久し振りの出番なんだから!! またしばらく出番がないんだから!! あと少しだけ茶番に付き合ってくだぱい!!」
[里久]
「この兄は何処で道を踏み外したんだろう……うーん」
[冬哉]
「最初からじゃないか? 厳密に言うならキャラせっt」
[風音]
「あーあーあー! そこは禁則事項です、ぶっ壊しちゃいけません。それよりゆー」
[優]
「なんでございやしょうか?」
[冬哉]
「変わり身の濱榎の異名に恥じない変わり身だな」
[風音]
「出番ありますよ、すぐに」
[優]
「まじか!」
[風音]
「冗談です」
[里久]
「風音さんって顔に似合わず鬼畜なんですね、でも其処が……」
[優]
「お前とは一度拳で決着をつけなければならないと常々から思っていた」
[風音]
「放課後、体育館裏……奇しくも舞台は整っている訳ですね。いいでしょう、だが断る」
[優]
「どっち?!」
[風音]
「待たせている人がいますから、これ以上お遊びに構っている時間はありません。では」
[優]
「ちょ、まっ……行ってしまった。あんにゃろぅ、ちきしょう!!」
[冬哉]
「待ち人? 風音が?」
☆校門☆
[風音]
「お待たせしました」
待ち人とは一体!?
→本編へGO NOW
最初のコメントを投稿しよう!