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弐 空と海と陸、憂鬱につき局地的に天災の恐れ有り
☆空き教室☆
[優]
「本日の議題はこの僕に彼女が出来ない理由について、だ」
[里久]
「そんなの議題に取り上げるまでもないっしょ馬鹿兄貴……」
[風音]
「あれ、先客さんですか?」
[冬哉]
「濱榎兄妹か。よっ」
[里久]
「あっ、風音さんに伊吹さんっ。こんにちわ!!」
[優]
「おっせーよバカと伊吹」
[風音]
「濱榎(はまえ)兄妹ですか。こんにちは里久(りく)さん。そしてゆー、その不名誉な呼び名なんとかなりませんか、仮にも優の名を冠してるんですからそれに恥ない立ち振る舞いをですね」
[優]
「きり"ばか"のん。きりって呼ぶ奴もいればのんって呼ぶ奴もいるんだから良いじゃんか」
[風音]
「(きりなんて呼ばれたことないんですけど)」
[七海]
「我はいつ登場すればいいのだ? 我の眷属である魍魎の召喚に応え馳せ参じのだが」
[優]
「…………!!」
[風音]
「あ、蛇鳥寺さん」
[冬哉]
「龍鳳院だからな。それより来るぞ、いつもの濱榎の病気が」
[優]
「ねぇねぇ、君名前はなんて言うの?」
[七海]
「む? 我か? 我の名はアスフォード──」
[優]
「君可愛いね、彼氏とかいるの?」
[七海]
「……ふぇ?」
[優]
「いるよね、舶来の美人さんなんて放っておくわけないもんね」
[七海]
「わたひが、美人……?」
[優]
「とても美人だ。美しい!! まるで湖面を優雅に踊る白鳥のようグベッ」
[里久]
「はいはい困ってるからねー先輩」←優の襟首掴んで引っ張ってる
[七海]
「うちが、美人……」
[冬哉]
「ごめんな、濱榎の奴が迷惑掛けて。端から見てると面白いんだが……」←苦笑
[七海]
「う、うぅん。迷惑なんて思ってない、よ?」←誉められて万更でもない
[優]
「畜生伊吹め、あいつはいつもそうだ。そうやって狡猾に僕の手柄を横取りして……そうか解ったぞ、僕に彼女が出来ない原因が!!」
[里久]
「伊吹先輩の所為とか思ってるなら中学生からやり直せ馬鹿兄貴」
[優]
「そもそもな、伊吹みたいなガタイで売ってるキャラは元来から弄られキャラって相場で決まってんだ」
[風音]
「イケメンをやっかんでやたら突っ掛かるキャラクターもそれに該当しますよね」
[優]
「お前とは一度拳で語り合わなければならないと常々から思っていた」
[里久]
「黙れ馬鹿兄貴。風音さんと語る前に僕と拳で語り合おうねー」
[優]
「のぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
☆廊下☆
[渉]
「あー……騒がしい」
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