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「ねぇ…ユキ…」
「俺は裕希だ!ユ・ウ・キっ!!ユキじゃ、女みたいだろ?!」
「…ユキはさ…やじゃないの?…」
ユキと呼ばれるのがか!?
俺の話を聞いてたら、わかるだろう?
ここで、ちゃんと言ってりゃ今もユキのままじゃなかったんだろうなぁ。
しかし、思春期を越えた今の俺は、もう女っぽいとか男っぽいとかどうでもよくなった。
むしろ、ユキでいい。
2人の絆みたいなもんだ。
「なにがだよ?」
「…私のせいで…ケンカしたり…先生に怒られたり…」
お前がイジメられてんのに何もしなかったバカどもの話なんか右耳から左耳へ流れてんだよ。
ケンカは母親公認だしな。
「へっ!!今さらなに言ってんだよ。守るって約束したろ?」
「う、うん!!」
何、照れてんだコイツ?ちなみにそれを聞いたのは5回目だぞ。
「ユキ…」
「なんだ?」
「ずっと…一緒にいてね…」
あぁずっと一緒にいてやら…
『ユキ…』
わかってる。
『ユキ…』
わかってるって……
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