進軍

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「無駄よ。あたしに攻撃は届かない・・・」 ダイアンは制止していた冷気をジャックに向けて飛ばし、新たに放出された冷気を相殺させる。 「・・・言っておくが、逃げ場はないぞ」 相殺された冷気の余波を手で払い、ジャックは言い放つ。 「キャハハハ、それは何?挑発?それとも傲慢?」 ダイアンはジャックを指差しながら高い笑い声をあげる。 「・・・傲慢?」 ジャックは眉間にしわを寄せ、一歩踏み出す。 「・・・それは貴様の方だろう?」 「キャハハハ、あたし?それは違うわね」 ダイアンは再びジャックに手を向ける。 「あたしは強いもの。あなたより、SCHよりね」 「・・・人はそれを」 ジャックの全身から冷気が放たれる。 「・・・傲慢と言うのだ!」 放たれた冷気は渦となり、ダイアンに迫り来る。 「キャハハハ、無駄よ」 ダイアンは念力で冷気の渦を制止させ、もう片方の手をジャックにかざす。 「あたしが言ってるのは真実だもの。傲慢じゃないわ」 「・・・なら教えてやろう」 ジャックの頭上に鋭くとがった氷柱が現れる。 「・・・上には上がいる」 ジャックは迷わず氷柱をダイアンに飛ばした。 しかし、ダイアンは笑みを浮かべたまま氷柱を制止させる。 さっき放った冷気の渦も、まだ制止したままだ。 「何をやっても無駄よ。あたしに攻撃を当てることなんか・・・」 その瞬間、ダイアンの背中に何かが直撃する。 「・・・いっ!?」 ダイアンは前によろけ、後ろを振り返る。 するとそこには・・・ 「攻撃・・・当たったぜぃ」 再び階段を上がってきたジェームズが立っていた。 ジェームズは伸ばした左足を戻すと、ダイアンに向かって歩き出す。 「キャハハ、あたし、今のは少しイラッときたわ」 ダイアンは冷静な口調でつぶやくと、すぐに行動に出た。
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