脱獄

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ガルーダには警戒体勢が敷かれていた。 ナルーダ塔に生き残っていた看守は全員残らずガルーダに集結し、銃を構えている。 「監獄の名にかけて、お前達をここで止める!」 「絶対にここから出さん!」 看守達は命を捨てる覚悟でゼウス達に警告する。 ガルーダ内にいる囚人はこの暴動に怯え、檻の隅で頭を抱えて丸くなっている。 「皆さん、最後の宴といきましょうか・・・」 ゼウスの言葉と同時に、ゴードン、シャンク、ヘイルが看守達に向かって行く。 「う、撃て!」 看守の一人が叫ぶが、引き金に指をかける前にゴードンから衝撃波が放たれる。 衝撃波は整列していた看守をふき飛ばし、一瞬にして陣型を崩した。 「ハッハー!」 ヘイルは毒霧を看守に浴びせ、シャンクは旋風で看守を攻撃する。 「やれやれだ」 ノバも参戦し、看守達は銃を撃つこともできずに死んでいく。 「イランさん、ガイアスさん。」 ゼウスが言うと、二人は振り向く。 「囚人達の始末、お願いします」 「わかった」 ノークは答えるとキャリーをその場に置き、壁に並んでいる檻に向かって酸を放つ。 ウルクは銃を取り出すと檻に向かって撃ち、次々に囚人を殺していった。 「フフ、アハハハハ!」 悲鳴や銃声、惨劇音が響き渡る中で、ゼウスは笑っていた。 看守は次々に死んでいく。 ノバの糸に首を切断され、ゴードンの震動を脳に受け、シャンクにねじ切られ、ヘイルの毒に侵され・・・ 「う、うわぁあああ!」 ついに看守は逃亡を始めた。 しかし、シャンクとヘイルの追撃でそれも失敗してしまう。 「完了ですね」 ゼウスは監獄の出口に向かって歩き始めた。 「さぁ、待望の瞬間です」 ゼウスは扉を開き、進む。 ノバ達もその後に続く。 その表情は全員が不気味な笑顔だった。 「お疲れ様です」 ゼウス達は外に出た。 絶対脱出不可能だと言われる監獄のヘルーダから、ゼウス達は脱獄に成功した。 「さて、ここからですね」
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