集合

13/13
37427人が本棚に入れています
本棚に追加
/702ページ
本部に戻った五人は駐車場に車を止め、エレベーターで資料室に向かった。 車の中や、エレベーター内でもそうだったが、アルドの精神的ショックは重傷でずっと上の空になっている。 「ゼル・・・君の力で僕の悲しみを投げ捨ててくれないか?」 アルドはこの言葉を連呼している。 ゼルは微笑するとアルドの肩を叩き、励ます。 車の中で、アビーから全てを聞いたゼルは楽しくて仕方がなかった。 ゼルのテンションに、束は少し不快になっている。 資料室にやってきた五人はノックも無しに扉を開け、中に入る。 資料室には相変わらず、ジャックとロバートが無言で椅子に座っていた。 青いファイルを開き、何やらメモをとっているようだ。 「まだ何かやってんのか」 束はあきれた様子でつぶやく。 「・・・ガオルについてだ」 ジャックは低い声で答えると、ファイルを閉じた。 ロバートはまだ真剣な表情で資料を確認している。 「・・・脱獄囚が捕まるのは時間の問題だろう?なら優先すべきはティタンだ」 ジャックは言いながら立ち上がると棚にファイルを直した。 視界の端にアルドをとらえるが気にしなかった。 「で、何かわかったの?」 アビーはジャックに尋ねるが、ジャックは首を横に振った。 「・・・過去の事件を見ていたが、ティタンの手掛りになる物はない」 「そう・・・」 アビーはため息をつくと椅子に腰かけた。 「おいジャック」 不意にゼルが口を開く。 「・・・なんだ?」 「退院した俺に挨拶も無しかこのヤロー」 ゼルが言うと、ジャックは顔をしかめる。 そして一言・・・ 「・・・頑張れ」 「何を!?」 ゼルはすかさずツッコミを入れる。 資料室にて、役者は揃った。 ここから束達は行動を開始する。 もう一度ゼウスを檻にブチ込む為に、束は動き出す。
/702ページ

最初のコメントを投稿しよう!