宣戦布告

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ひとつの電球が明かりを灯す薄暗い部屋の中。 ひとりの囚人が、その部屋に案内されてきた。 手には手錠。ただの手錠ではない。 特殊な電波を手から送り込み、拘束者の『力』を封じる道具である。 部屋にはすでにひとりの捜査官が椅子に座って待っており、案内されてきた囚人に座るように指示した。 囚人はまるで血を思わせる真っ赤な長い髪を揺らしながら椅子に腰掛ける。 そして、小さな鉄の机を挟んで向かいに座っている捜査官に目を向ける。 捜査官は机に置いてあった資料を手に取ると話を始めた。 「どうも。俺はSCHの、空良 束(そら たばね)だ。SCHの意味は知ってるだろ?」 「日本人ですか・・・英語がうまいですね。」 囚人の男は真紅の瞳を束に向けてつぶやく。 その表情には笑みが浮かんでいた。 「まぁな、こっちに来てから長い。言葉も自然に身に付くってもんだ。」 束は資料に目を向けながら話を続ける。 「お前は、政府から危険分子と判断された。理由は分かるよな?『力』を使って何人殺した?」 囚人は答えない。唇を歪めながら束を見つめている。 「聞いた話じゃ、お前の『力』はかなり危険なものらしい。よって、監獄の一番奥・・・ヘルーダに投獄する。」
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