参戦

14/14
37428人が本棚に入れています
本棚に追加
/702ページ
シャンクとジェームズの睨み合い。 そこから二人は静止した。 群衆は今の内にとその場から逃げて行く。 ジェームズに向けて笑みを放っているシャンクが、もうそれを追うことはなかった。 「そういやぁ、てめぇとはまだ決着がついてなかったよなぁ?」 「そっちが逃げたんだろぃ」 「フン、まぁ昨日はな」 シャンクはジェームズに向かって一歩踏み出す。 「じゃあ今から殺してやるぜぇ?タコ野郎」 「群衆もいねぇ。これでやっと戦えるぃ」 少しの沈黙。そして・・・ 「ハッハァ!」 シャンクはジェームズに旋風を放つ。 「芸がねぇぜぃ!?」 ジェームズは旋風をかわすとシャンクに向かって腕を伸ばす。 「てめぇもな・・・」 シャンクはジェームズの拳を受け止めると能力を発動してねじった。 しかし、軟体人間と称されるジェームズの腕はねじれるだけで切れはしない。 「効かねぇよぃ!」 「チッ」 シャンクは両手でジェームズを腕をつかみ、引っ張る。 が、腕はさらに伸びるだけでジェームズを引き寄せることはできない。 「そらよ!」 シャンクは拳をつかんでいた手を放すと同時に巨大な旋風を放った。 「くっ・・・!」 ジェームズは旋風をかわそうと横に飛び退くが、伸びていた腕が巻き込まれ、ジェームズはふき飛ばされる。 「うっ・・・ぐっ!」 ジェームズは地面で数回バウンドするとその場に倒れた。 「弱ぇ、弱ぇ。どいつもこいつも相手になんねぇな」 シャンクはそう言いながら倒れているジェームズに向かって手をかざす。 その時、その場に10人ほどの人間が現れた。 「あ?」 シャンクは顔をしかめ、その10人を見つめる。 「なんだあいつら・・・また見物客か?」 どうみても能力者に見えないその10人の額には、聖杯の刺青が刻まれていた。
/702ページ

最初のコメントを投稿しよう!