進軍

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ダイアンは宙に制止させていた氷柱をジェームズに向けて飛ばす。 「おわわっ!」 ジェームズは慌てて横に飛び退き、病院の壁にぶつかりながらも氷柱をかわした。 だが、ジェームズは体勢を崩している。 「これで終わりよ!」 ダイアンはとどめと言わんばかりに、制止していた冷気の渦をジェームズに放つ。 「ちょっ・・・」 ただでさえ狭い通路。 体勢を崩しているジェームズが大量の冷気で構築された渦をよけれるハズがない。 「一人目ね」 ダイアンは勝ちを確信し、ジェームズから目を離した。 しかし、ジェームズの背後に一人の人影が現れる。 その人物が、ジェームズに迫り来る冷気の渦に手をかざすと、冷気の渦は一瞬にして凝縮され、空中に制止した。 冷気の渦は小さな白い球になり、ジェームズには届かない。 「甘いわよ」 その声に反応し、ダイアンは再び振り返る。 そこには床に腰を下ろすジェームズと、その背後にいるアビー。 アビーは冷気の渦を周りの空気と共に圧力をかけ、凝縮させている。 「ここはSCHが管理する機関よ?まだまだいるわ」 アビーはダイアンを挑発するように言い放った。 「へぇ・・・」 ダイアンは眉間にしわを寄せ、アビーを睨みつける。 「署長だけを殺して逃げるつもりだったけど、いいわ、全員殺してあげる」 「やってみなさいよ」 アビーは言うと、能力を解除した。 その瞬間、大気にかかっていた圧力が解け、圧縮されていた冷気が解放される。 それは冷気の波動となって、ダイアンに猛スピードで迫る。 「フン!」 ダイアンは片手で冷気の波動を制止させ、ジャックを警戒しながらもそれを球状に押しとどめた。 「SCHが何よ・・・能無しの集まりのクセに」 ダイアンはそう言うと、球状の冷気をアビーに返すように飛ばした。
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