37426人が本棚に入れています
本棚に追加
/702ページ
ダイアンは宙に制止させていた氷柱をジェームズに向けて飛ばす。
「おわわっ!」
ジェームズは慌てて横に飛び退き、病院の壁にぶつかりながらも氷柱をかわした。
だが、ジェームズは体勢を崩している。
「これで終わりよ!」
ダイアンはとどめと言わんばかりに、制止していた冷気の渦をジェームズに放つ。
「ちょっ・・・」
ただでさえ狭い通路。
体勢を崩しているジェームズが大量の冷気で構築された渦をよけれるハズがない。
「一人目ね」
ダイアンは勝ちを確信し、ジェームズから目を離した。
しかし、ジェームズの背後に一人の人影が現れる。
その人物が、ジェームズに迫り来る冷気の渦に手をかざすと、冷気の渦は一瞬にして凝縮され、空中に制止した。
冷気の渦は小さな白い球になり、ジェームズには届かない。
「甘いわよ」
その声に反応し、ダイアンは再び振り返る。
そこには床に腰を下ろすジェームズと、その背後にいるアビー。
アビーは冷気の渦を周りの空気と共に圧力をかけ、凝縮させている。
「ここはSCHが管理する機関よ?まだまだいるわ」
アビーはダイアンを挑発するように言い放った。
「へぇ・・・」
ダイアンは眉間にしわを寄せ、アビーを睨みつける。
「署長だけを殺して逃げるつもりだったけど、いいわ、全員殺してあげる」
「やってみなさいよ」
アビーは言うと、能力を解除した。
その瞬間、大気にかかっていた圧力が解け、圧縮されていた冷気が解放される。
それは冷気の波動となって、ダイアンに猛スピードで迫る。
「フン!」
ダイアンは片手で冷気の波動を制止させ、ジャックを警戒しながらもそれを球状に押しとどめた。
「SCHが何よ・・・能無しの集まりのクセに」
ダイアンはそう言うと、球状の冷気をアビーに返すように飛ばした。
最初のコメントを投稿しよう!