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破裂したクライウから噴き出す血。
それはジョンの意志で操られ、大きな赤い犬の形に姿を変える。
「そいつを捕える時、俺の血を入れておいたんだよ」
クライウとの戦闘で、その手足を貫いた血の針。
その瞬間、ジョンはクライウの血を操る為に自分の血をクライウの中に入れていたのだ。
そうすることで、クライウの体内に流れる全ての血はジョンの意のままだ。
結果、クライウは大量の血となり、ヘイルと同様に跡形もなく飛び散った。
「逃がすくれぇなら殺す。SCHを舐めんじゃねぇよ」
クライウの血で構成された赤い犬の首は、その口を大きく開けてハリーを襲う。
「うわ・・・」
ハリーはとっさに瞬間移動し、ビルの屋上まで逃げる。
三人はハリーが完全に視界から消えたことにより、逃げたと判断した。
ジョンはクライウの血をガトリングガンの中に収納し、自分の武器として使用する。
「ま、ちっとは足しになんだろ」
ジョンはガトリングガンにカーテンをかけ、つぶやく。
「逃げたか。賢明な判断だ」
マルスは辺りを見回しながら言った。
束は顔をしかめ、死んだクライウに弔いをささぐ。
「危ないですね~」
ビルの屋上でつぶやくハリーの表情は笑顔をままだが、引きつっている。
大量に流れる冷や汗を拭い、ハリーはこの場から姿を消した。
「連行する必要もなくなったな」
ジョンはガトリングガンを抱えると、マルスに向かって言った。
「だが、病院に戻ろう。一度出直す」
「そうだなァ。血の残量もまだ少ねぇしよ」
二人は何事もなかったように病院へと歩を進める。
「おい行くぞ」
ジョンの言葉に反応し、束も病院に向けて歩き出す。
ケルベロスとなっている三人は、ゆっくりと病院に向かう。
二人のティタンを撃破し、なんとか署長 バーナードを守り抜いたSCH。
サバイバルゲーム二日目は終了。
だが、物語は新たな展開へと進み、激化の一歩を辿る。
サバイバルゲーム三日目。
ついにティタンのリーダーが動き出す。
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