激突

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―――三日後。 束は無事退院し、SCH捜査本部に来ていた。 本部には束だけではなく、多くの捜査官が集結している。 束、ゼル、ルアナ、キャリー。 ジャック、アビー。 束縛コンビ。 アンディ、ニック。 隠密捕獲チーム。 オルトロス。 そして、署長を務めるバーナードと、治療のアルドだ。 サバイバルゲームにて、主に動いていたメンバー達である。 「ティタンについて、多くのことがわかった」 本部の最上階、署長室の扉の前でバーナードが言った。 バーナードは復帰後、捕縛に成功したティタンの一人、ダイアンの取り調べを行っていた。 心を読む力により、多くの情報を収拾したバーナードは、ここから動きを見せる。 「ティタンのリーダーは、ハデスと呼ばれる男・・・」 バーナードの言葉に、その場の全員が注目する。 「本名は、ランディー・レイエス。ゼウスの兄だ」 「「「・・・な!?」」」 その発言に多くの者達が驚愕する。 ゼウスの兄・・・ 考えもしなかった事態が、束達を襲う。 束はいつしかのガオルの言葉を思い出していた。 『レイエス様が貴様らに裁きを下す』 あれはゼウスではなく、兄の方だったのだ。 「なるほどな・・・どうりで脱獄囚とティタンが繋がるわけだ」 ジョンは白いカーテンに覆われたガトリングガンを抱え、言った。 「兄貴・・・か。動き方が似てると思ったんだよなァ。組織の動かし方がよ」 そうつぶやくジョンはどこか楽しそうに見えた。 迫り来る最終決戦の時。 その時が楽しみで仕方がないようだ。 「で、ゼウスとハデスが共闘する可能性は?」 ゼルが口を開いた。 「フム。それがな・・・」 バーナードは言葉に詰まるが、間をおいて話し出した。 「ゼウスはハデス、ティタンを潰す気かもしれない」
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