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「あんた達、頭おかしいんじゃないの!?一日に二回も殺し合いやってんじゃないわよ!」
広場に入ってきたキャリーはスタスタと早足でバスケットコートまで歩いてくる。
キャリーが入ってきた金網の扉は閉ざされ、すぐに電流が流される。
「まったく、ヘルーダは好戦的なんだからっ!」
キャリーは苛立った口調で言うと、手から炎を発射し、バスケットコートを囲むように火の壁を作り出した。
炎に包まれたコートには、キャリーを含めて三人。
それ以外の人間はコートに侵入できない。
そして、中にいる男とゴードンもその場から出られない。
「邪魔すんじゃねぇよ。」
ゴードンはキャリーに向かって悪態をつく。
「うるさいわね、あんまり調子に乗ってると殺すわよ?」
「おもしれぇ、俺と戦ってみるか?」
それを聞いた途端、キャリーの両手が炎に包まれる。
「火傷じゃすまないわよ?」
「上等だ。」
ゴードンはキャリーに向かって手をかざす。
「やめろゴードン。」
コートの外側からノバが叫んだ。
「俺に指図するな!」
「ウィングさん。勝手な真似は控えるべきですよ。今はね。」
ゼウスの声が聞こえると、ゴードンはゆっくり手を下ろした。
それを見たキャリーの両手の炎が消える。
「今日の自由時間はこれで終了よ。さっさと自分のエリアに戻るのね。」
キャリーは言うと、コートを囲む炎を消した。
それを確認した看守達が、広場に次々と入ってくる。
キャリーはゼウスの前にやってくると、凄い形相で睨みつけた。
「あんたが来てからあたしの仕事は増えるばっかりよ!少しはおとなしくしてなさい!」
「結構なことじゃないですか。仕事が無いと、あなたも暇でしょう?」
「馬鹿言ってんじゃないわよ!それと、今日また二人がヘルーダに来るから、くれぐれも騒ぎを起こさないように。いいわね?」
「努力はしてみます。」
ゼウスの言葉を聞き終わると、キャリーはその手に手錠をかけた。
他の囚人達も手錠をかけられ、自分の監房に戻って行った。
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