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――畜生。
僕は何も努力をしなかった。全て流れのままに、世界が定めた運命とやらに立ち向かおうともせずボンヤリと生きていた。例えるのなら、風にただ運ばれる雪の様に、川を流れる木の葉の様に。そんな風に見に降り懸かる災難に対して何も抵抗しなかった、だだの弱者。いや、一生懸命生きているモノ達からみたら、だだの愚か者だろう。
――畜生。
だから、僕が報われないのは分かっているんだ。流れに逆らおうともしなかった人間が、自分の望みを叶えるなんて傲った行為だ。そして僕はそれを知っているから高望みはしない。別に僕自身の状態に文句がある訳でもないから、不満も有りはしない。
――畜生っ。
……だけど、彼女は? 普通の人よりも十倍以上も努力をし、地反吐を吐きながらもその身に課せられた運命に抗ってきた。見ていた僕の方が倒れてしまいそうな事をした。そして、やっとその定めから逃れれた筈だったんだ。
――畜生っ!
なのに何故、何一つ報われなかったんだ? 楽しいと言っていた日常に戻る事はおろか、生きる事すら出来ないだなんて。あまりにも、酷くないか。
――――神様は、そんなに彼女を死なせたかったのか?
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