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「……」
「……」
お互いに黙り込む。
ガタン!
するとハルヒは沈黙に堪えかねたのかアイツにしては乱暴な動作で椅子から立ち上がり何処かに立ち去ってしまった。まあ、泣かせてしまったわけでも怒らせたわけでもないからおとなしく帰りを待つことにする。
「おめでとう。心の底から祝福するよ」
国木田がいきなり現れて俺に何故か祝福の言葉を投げ掛ける。
「国木田。盗み聞きとは良い趣味じゃないな」
「盗み聞きとは心外だな。教室の真ん中でラブコメしてる方にも責任はあるとおもうけど?」
純朴そうな顔して言うときは言う男、それが国木田だ、みんな大人しそうな容姿に騙されるなよ。
「まったく、見せ物じゃないんだ。ほっといてくれ」
「見てたのは僕だけじゃないけどね」
その言葉にふと周りを見渡すとクラスメートの数人が妙に生暖かい視線でこちらを見ていた。後で知った所によるとそいつら全員東中出身だった、この場にまだ谷口が登校していないのが唯一の救いだ。
「でもよかったよ、涼宮さんもいつまでもクラスの中で遠慮ばかりされるとこっちも気をつかうからね。涼宮さんに呼び捨てで呼び合う友人が出来たのは幸いだよ」
「私も同感だ。国木田君」
その声の主は、突然その場に現れた第三の人物。谷口の美人番付によるとAAランク+の美少女朝倉涼子だった。
「私も涼宮さんがクラスに馴染めきれていない現状を憂慮していた。君のようなものが彼女とクラスの架け橋になってくれるのなら嬉しい」
谷口曰く「容姿端麗、文武両道な上に性格もよろしい最上級の女」らしいがその口調は軍隊の上官そのものだ。ちなみになぜ彼女がこんな委員長みたいな心配をしていたのかというと委員長だからだ、この前のホームルームで反対票0であっさり認証されている。
「あのな、国木田も朝倉も少し大袈裟だぞ?単にこれは俺とハルヒがだな……」
「ハルヒか、いいね名前で呼び捨てかい?」
ちゃかすな国木田。
「ともかく、彼女は君の言うことなら耳を貸すようだ。私や他の者ががいくら話しかけても謝られてばかりで話が進まないのだからな」
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