第一章 涼宮ハルヒ入学!

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 ……それは貴女様の口調が怖いからではないのでしょうか? とヤバいことはモノローグで言っておく。 「しかし、この前の髪型の一件もある。彼女は感じやすい娘だ大事にしてやれ」  髪型の一件とはハルヒは一時期毎日髪型と髪をしばるリボンの色を変えて登校していたのだ。  具体例に言えば月曜日はストレート火曜日はポニーテール、水曜はツイン……と週が進むごとに髪を束ねる本数を増やしていき月曜日にはまたストレートに戻るといった感じだ。  当然、なんでそんな髪型にするのか理由を気にするお節介な女子が現れて本人に理由を尋ねるが謝るばかりで会話がいまいち成立しない。  しかし何故かは知らんが俺が理由を訊くと、あっさりと教えてくれた。  なんでもハルヒには曜日によって感じる色と数字のイメージがあるらしい、月曜は黄色。火曜が赤で水曜が青で木曜が緑、金曜が金色で土曜は茶色、日曜は白、数字にすると月曜がゼロで日曜が六といった感じらしい。  ――で俺が軽い気持ちで「俺は月曜は一って気がするけどな」と告げたらハルヒはあっさりと次の日にあの長かった髪をばっさりと切って登校してきた。  腰にまで届こうと伸ばしていた髪を肩あたりで切り揃えた新しい髪型も確実に似合ってはいたが俺はかなり動揺し、当然ハルヒに理由を訊いた。  すると「月曜がゼロなんて変な奴だと思われたかと思ったから」等と言い出した、そりゃないだろ?  確かに俺はハルヒの意見に異論を唱えたが月曜が一かゼロかなんて個人の感性だろうが。  と俺はハルヒ指摘しようして気付いたのだ、コイツは徹底的に自分に自信を持てず他人の目を気にして生きているのだ、俺が説教なんてしようものならまた塞ぎ込んでしまうだろうとな。  ちなみにその後俺は朝倉達女子軍団に散々責められた「まったく涼宮さんにそんな酷いこと言って!」「女の子があそこまで伸ばした髪を切るっどういうことか分かるの?」「君も涼宮さんに最も近い人間としての自覚を持ってもらわんとな……」てな具合だ。  以来俺はハルヒの意見には全肯定だ異論など表情にもださない。
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