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――五月、大型連休も無事に明け俺も親戚の家から無事帰還し北高に向かう、ハルヒに会うために……後、まあ勉学にも勤しむ為にな。
この頃になるとハルヒも俺に大分馴れてくれたのか毎朝のように話しかけてきてくれる。
これまでの一ヶ月の間にハルヒはハルヒなりに髪型を毎日変えたりと努力はしていたらしいのだが未だに不思議な出来事は俺達の前に姿を現していなかった。
「部活の仮入部はどうだった?」
「うーん、いまいちかな。不思議な部なんて中々無いだろうな、とは思ってたけど」
まあ、そうだろうな。
そもそもこんなに常識的な県立高校にコイツが求める『非日常』が存在する筈ないのだ。
それでも『非日常』を求めるのなら手段は一つ。
自分が『非日常』になるか『非日常』を探しに行くしかない。
そして俺は痛切に感じているのだハルヒと一緒に『非日常』を探しに行きたい、と。
「どうしたの?」
会話の最中に上の空だったからだろうハルヒが俺の顔を覗き込むようにして訊いてきた。
「いや、なんでもない。それより結局部活はどうするんだ?」
「このままだと帰宅部かな?気に入った部活動も見つからなかったし……」
と言って視線を下げる。コイツのことだ入部できなかった部活関係者各位に申し訳なく思っているのだろうが……気にするな、お前を満足させられなかった向こうが悪い。
「じゃあやっぱり作るしかないか……」
「作るって何を?」
「何って、部活だよ部活」
ハルヒは何のことを言っているのか分からないといった表情で何回か目を瞬かせ……
「ええ!」
珍しく大声をだした。
「部活を作るって……あなたが?」
「違う。俺とお前で、だ。まあ、今の所それ以外はノープランだが」
「ふ、二人で作る……」
何故ここで赤くなる。俺の計画性の無さに呆れるとこだぞ、ここは。
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