第一章 涼宮ハルヒ入学!

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「そうと決まれば善は急げだ。早速昼休み辺りに部室を探しに行ってくるから、ハルヒは提出用の書類とかを準備してくれ」  柄にもなくテキパキ仕切る俺。 「書類って……でも具体例になんて書けば良いのかな?」 「不思議探しで良いじゃないか」 「駄目だって!そんなんで許可される訳ないよ!」  そういや初期の頃に比べればハルヒの口調もくだけてきたな、嬉しい限りだ。 「ボランティア活動に従事するとか、生徒の悩み相談とか適当で良いだろう?今日中にに書いといてくれ」  多少強引だがこうでもしなければコイツは一日中後ろ向きな思考で自分を苛めているだろうから仕方ない。 「きょ、今日中!?」 「ああ、俺の方も部室と部員のことは今日中になんとかする。時にハルヒ。現在文化系の部活で一番部員数が少ないのはどこだ?」  全ての部活に仮入部した涼宮殿にお伺いをたてる。 「えっと……文芸部かな?確か新入部員が一人居たきりだったと思うけど」 ふむ、乗っとるならそこだな。 「……」  何かを確かめるような目でハルヒがこちらを見てくる。 「なんだ?」 「何か悪いこと考えてない?」  なんと失礼な俺は基本的に後ろの席に座る少女のこと以外は全く考えていないというのに。 「いや、別に」 「言っておくけど、長門さんに迷惑かけたらダメだよ。女の子一人で文芸部の為に頑張ってるんだから」  どうやらその部員は長門さんという名前の女生徒らしい。 「安心してくれ。迷惑をかけるつもりはない」  こちらが執念深く交渉すればアチラも折れて部室の端をぐらいなら使わせてくれるだろう。  うまくいけば長門さんとやらをなし崩しに部員にしてしまう手もある、一人で文芸部を続けているぐらいだ、ハルヒ程でなくとも変わり者である公算は高い。 「とりあえず昼休みは涼宮が書類作成で俺が部室と部員探しだな」 「部員かぁ……あ、あたしは別に二人きりでもへい……「やはり、最低五人はいないと部活動にならないからな、かといって谷口や国木田じゃあ数合わせみたいだし……」 「やっぱり。本気で作るつもりなんだ……」 「何を今更」  なぜ今更当たり前のことを訊いてくるのか、いやそれとも、もしかして。 「嫌なのか?」 「ぜ、全然嫌じゃないよ?嫌じゃないけど……」 「じゃあ決まりだな」  しっかし我ながら強引なやり方だな。
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