第一章 涼宮ハルヒ入学!

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 このように一瞬にして俺のハートをいろんな意味でキャッチした涼宮ハルヒだが、翌日以降しばらくは割りとおとなしく一見無害な女子高生を演じていた。否、どこかの誰かが勝手に眠れる獅子を起こさなければハルヒは永遠に無害な女子高生のままだっただろう、だけどハルヒと関わった後の俺なら自信を持って言える。 「だってそっちのほうが面白いじゃないか」ってな。  で、俺は今日も世界の神秘涼宮ハルヒにまた話しかけていた。もちろん話題はあのことしかあるまい。 「なあ」  と、俺はさりげなく振り返りながらさりげない笑みを満面に浮かべて言った。 「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」 「最初のって皆と仲良くしたいっていうのは全部本気で……」  伏し目がちに席に座っていた涼宮ハルヒはそのままの姿勢でこちらを見上げてきた。 「違う。そんな人畜無害な全年齢対象の自己紹介じゃない」 「え?」  心底不思議そうな涼宮ハルヒ。 「いや、だから宇宙人がどうとか」  たちまち涼宮ハルヒの顔が青ざめて行く。 「き、聞こえてたの!?」  凄まじい勢いでハルヒが食い付いてくる。  そのひょうしに目が合う……綺麗だ。 「まあな」 「……そう、どうせ変な女だとでも思ったんでしょうね……」  先ほど以上に目線を落とし何やらブツブツ言い出すハルヒ、下手したら泣き出しそうだ。  ――クラス中の視線が痛い、朝倉委員長に見つかったら死刑だろう。 「落ち着け。確かに驚きはしたが変だなんて思わない。寧ろ羨ましいぐらいだ」 「どうせあたしみたいな奇人は誰にも相手にされず寂しく生涯を終えて閻魔様にも相手にされず地獄にすら行けないで永遠に現世で独りぼっちで……え?う、羨ましい?」 「ああ、宇宙人やら未来人やら異世界人やら超能力やらが居たら楽しいに決まってるだろ?だけど皆諦めてる、居るわけねーだけど居たら良いな。みたいに最大公約数みたいな考えで納得してる。なのにお前は夢をおいかけてる。偉いと思うし……」 「思うし?」 「いや……なんでもない」  さすがに言える訳がない。  出来るのなら俺も一緒にその夢を追いかけたいなんて恥ずかし過ぎる台詞はな。
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