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別段一人で飯食うのは苦ではないがやはりみんながわやわや言いながらテーブルをくっつけて食事するなかで一人きりなのもなんなので俺は同じ中学で比較的仲がよかった国木田とたまたま席が近かった谷口と食事を供にしていた。
涼宮ハルヒの話題が出たのはその時である。
「貴様、この前涼宮に話しかけておったな」
何気にそんな事を言い出す谷口。まあ、うなずいとこう。
「わけの解らんことを言って口もきいてもらえんかっただろう?」
そんな事はなかったがな。
「もしアヤツに気があるのならば、悪いことは言わぬ、やめておくがよい。涼宮が常軌を逸しておるのは明白であろう」
中学で三年間同じクラスだったからよく知っておるのだがな、と前置きし、
「高等学校に進学すれば多少は落ち着くかとも思ったがな」
「そうかな?涼宮さんって少しばかり内向的だけど、そんなに変わっているとは思えないんだけど」
焼魚から骨を細心の注意で取り除いていた国木田が口を挟んだ。
「ふん、それこそがアヤツのやり口よ。無害で気弱な子猫を装いながらも裏では妙なことばかりしておったのだ。有名所で言えばあれか……校庭落書き事件」
「何だそりゃ?」
「ふむ、聞きたいかならば話そう石灰を使い白線を引く道具があるであろう。それを使い校庭にこれ見よがしに巨大な絵文字を書きおったのよ。しかも夜中に校舎に侵入してな」
その時のことを思い出したのか谷口は愉快そうに笑った。
「まったく驚いたわ。朝登校してみればグラウンドに丸やら三角やらで奇っ怪な模様が描かれいてな。近くからでは全貌が把握できんので校舎の四階から見てみたがやはり解らんかった」
「あ、それ見た覚えがあるな。確か新聞の地方欄に乗ってなかった?航空写真でさ。出来そこないのナスカの地上絵みたいなの」
と国木田が言う。俺には覚えがない。
「その犯人が涼宮だと?」
「本人が言ったのだ間違いあるまい。他にも色々やっておったぞ、朝教室行ってみれば机が全て教室から出されていたこと、校舎の屋上にペンキで星マーク、学校中にお札を貼っていたこともあったか……」
「他にも何かあるの?」
興味を持ったのか国木田がせっつく。
「ウム、キョンにはショックがデかいかもしれんが伝えおくぞ。アヤツはクラス中の男子と付き合ったのだ」
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