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「それじゃあのォ!嬢ちゃん」
ノートにでっかく〝豪拳番長参上!〟と書き殴ると、番長さんは学生鞄を肩に乗せ、颯爽と去って行く
格好いいなぁ……。てか、嬢ちゃんって……
「まぁ、いいけど」
苦笑しながらふと横を見ると、愛流ちゃんが微笑みながら歩いてくる
「良かったね。ひかるちゃん」
どうやら、途中から聴かれていたらしい
「あはは。ごめん場所取ってなかったね。あそこらへんに行こう」
ボク達は子猫にバイバイすると、公園の奥の方にあるベンチに座った
「はい。ひかるちゃん」
「ありがとぅ」
こっちもお金を渡しながらクレープを受け取る。お金はキッチリしないとトラブルになるからね
「やっぱ、ひかるちゃんは凄いな」
ポツリと、愛流ちゃんが呟く。何を言い出すんだろうね、この娘は
「優しくて、頼りになって……私なんて」
「とう!」
「きゃあっ!」
愛流ちゃんの膝目掛けて突撃を仕掛ける。これぞダイナミック膝枕!
「な、何?ひかるちゃん」
「優しくてー、可愛くてー、行動力があってー、」
「??」
「愛流ちゃんの事だよ」
ボクの言葉にキョトンとしてる。よし、たたみかけよう
「困ってる人をほっとけなくてー、明るくてー、何事にも一生懸命でー、あったかくってー、柔らかくってー、いい匂いがして、ボクが一番安らげる居場所でー」
「~~///」
言ってる内に愛流ちゃんはどんどん真っ赤になって、今じゃ茹で蛸みたいになってる
「つまり、ボクが凄いかどうかは定かじゃないけど、愛流ちゃんも凄い。それじゃあ駄目かな?」
「……ありがとう」
「どういたしましてー」
そう、愛流ちゃんはボクの居場所なんだ。こればっかりは誰にも譲れないだよね
何があっても、ね
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