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警告に!最強の正義の集団
「あぁ!?てめぇもっぺん言ってみろや!」
「何度でも言ってあげるわよ!馬鹿みたい、馬鹿みたい、ばーかーみーたーいー!!」
爽やかな朝の空気を、怒鳴り声がピリピリとしたモノに変える
それは眠たい目を擦りながら学校に向かう途中だった
眠気にかまけて警戒を怠ってしまった
路地裏でタバコを吸ってるウチの生徒を見つけた愛流ちゃんは、止める間もなく注意しに行っちゃった
登校途中の裏路地で、タバコを吸ってるようなお兄さん達が紳士的な訳もなく、こうなっちゃうよね
「身体に悪いって知ってて、吸っちゃいけないって知ってて吸うなんて、本当に馬鹿みたい」
「このアマぁ」
愛流ちゃんもヒートアップしてる。取りあえずボクはさり気なく前に出る
「コイツらムカつかね?」
「ヤっちまおうぜ。たっくん」
血の気の多い人達だなぁ。とは言え、少しヤバいかも
相手は三人だし、そのたっくんが付けている校章はボク等と同じ普通科の物とは少し違うデザイン、つまり『能力者』
「見せてくれよ。たっくん!あの力を」
それに応えるように、たっくんは近くに置いてあったバケツに両腕をかざすと、神経を集中しだす
五秒ほど経ったところで、ふわっとポリバケツが浮き上がる
「念動力(サイコキネシス)…」
念動力――
多分、『超能力』と聞いて直ぐ思い浮かべる力だと思う。念じるだけでモノを動かす事の出来る、わかりやすい『能力』
「はははは!びびったか、お前ら!」
「えーと…」
確かにびっくりした。その、色んな意味で
「……朝っぱらから何してやがる。てめぇら」
声が聞こえたその時、ゴォという音と共に辺りが一瞬、紅に染まる
「「「熱っちぃぃぃ!?」」」
ボクは予め影響の少ない範囲まで愛流ちゃんを誘導してあったけど、お三方は突如現れた炎に、まともに炙られたみたい
「面倒臭いんだよ。ったくよ」
声は路地裏の入口から
「だ、誰だテメー!」
そこには、制服をだらしなく着崩した男の人が、不機嫌な顔を隠そうともしないで立っていた
「ヤニ吸うのも、カツ上げすんのも、俺の見えないとこでやりやがれ」
言うや否や、彼の周りに炎が生まれる
「お前!発火能力者(パイロキネシス)か!」
「あーっ!」
たっくんが緊張した声を出すと、連れの一人が悲鳴を上げる
「たっくんコイツ…橘だ!」
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