警告に!最強の正義の集団

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 「たっくんコイツ…橘だ!」  「知ってんのか?」  「このツンツン頭に何時も不機嫌そうな面!それに発火能力。間違いねぇ、コイツ橘 拓巳だ!」  そう言う彼の顔は真っ青だった。名前を聞いて思い出したのか、たっくんも目を見開いて驚く  「じゃあ、お前も〝たっくん〟か!?」  「って、そこ!?そこに驚いてたの!?」  思わず突っ込んじゃったけど、それでたっくんは幾分か冷静になったみたい  「……橘って、コイツ〝執行部〟か!」  そう。ボクも遠目でしか見たこと無かったけど、彼は  『生徒会〝執行部〟』の【橘 拓巳】  簡単に言うと、“あの”先輩と同じ所属の人間。つまり正義の味方の1人って訳  「認識出来たか?なら選ばせてやる。消えるか、焼かれるかだ」  「やべえよ、たっくん。確かコイツ、ランクBだ」  「まじか」  因みにボクはランクC。ランクは力の強さ、脅威度なんかで変わってくるけど  様々な『能力』があるから、結構あやふやだったりする  「ちくしょー!勝てる訳ねー!覚えてろよー」  「……もう忘れたよ」  たっくん達の捨て台詞を華麗に受け流し、橘さんは面倒くさそうに前髪を掻き上げた  「あ、ありがとうございました」  愛流ちゃんが頭を下げてお礼をいう   「…余計な手間取らせてんじゃねぇよ」  「え…?」  「正義の味方ごっこも結構だがな、自分で解決出来ないようならほっとけ」  乱暴な言い方だけど間違い無く正論。橘さんはボクの方も一瞥して去って行った  「行こう。遅刻しちゃうよ」  俯いてしょんぼりしてしまった愛流ちゃんの手を引いて歩き出す  「……私ダメだなぁ」  「うん?なぁに?」  「私、また失敗しちゃった」  「……後悔してるの?」  愛流ちゃんは俯いたまま応えない。やれやれ、これを期に危ない事はやらないでとは思うけど  ……キミには笑顔の方が似合ってるし、笑っててほしいからね  「愛流ちゃんは間違った事はしてないよ。それに知らない人に注意するなんて、普通滅多に出来ない」  「ひかるちゃん……ありがとうね」  「どーいたしまして」  一転して晴れやかな笑顔になる愛流ちゃん。うん。やっぱり可愛い  「そうだよね!うん、何弱気になってたんだろ私。ようし!これまで以上に頑張るぞう!」  ………いや、うん。……後悔なんてして無いですよ?
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