警告いち!最凶の正義の味方

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 正義の味方の声が辺りに響き渡った所で、大半の教師と生徒は席に戻ってく。愛流ちゃんもホッとして席に戻っていく  これで、この騒ぎは終わりだというように  ボクもそう思うけど、眠気覚ましにちょっと観てようかな  「どこにおる!姿を見せェ!」  番長さんの呼び掛けに、正義の味方は〝降ってきた〟ボクの前を通り過ぎて  ズドォン  「おおう!?」  「…此処に、いますわ」  番長さんは、いきなり目の前に降ってきた人影に驚いていた  てゆーか、ボク等の教室は三階。つまり、あの人はそれより上から飛んだ事になる  「豪拳番長と仰いましたか。ご心配なさらずとも学園の治安は私、『生徒会〝執行部〟』が承りますわ」  「…お前が一番強いんかァ」  「一番強いなんて、自惚れた事はありませんわ。けれど執行部として、阻ませてもらいます」  言いながら、腰に帯剣してあった細剣を引き抜く  いちお言って置くけど、勿論、刃は潰してある  いわゆる競技用の剣で、この人が持つと様になるっていうか、かっこよくって本当に画になる  「そんな細っちい棒きれで、ワシの豪拳が防げる思うたら怪我じゃ済まんけんのォ」  「なら、使わせなければいいのではないかしら」  構えた細剣を、目にも止まらない速さで振るう パシンッ  しなる剣が、蛇の如く番長さんを叩く  「おぅ!?」 パシンッパシンッ  「うぬぅ!いだだ」 パシンッパシンッパシンッパシンッパシンッ  「うがああ!!いい加減にせんかぁ!」  演舞のような剣の攻撃を気合いで弾き返す番長さん  「遠くからペチペチとしおって」  「あら」  「今度はこっちの番じゃけぇのォ!」  両腕を腰溜めに構え、気を高めていく番長さん。どうゆう能力か分からないけど、あの両拳は〝危険〟みたい  「うおおおお!!唸れぃワシの豪拳〝覇王の一撃(ダイナストハンマー)〟ァ!!」 ドゴォォン  わあ。何か凄い音がした。校庭抉れてるし  「豪拳と言うだけはありますわね」  「次は当てる。降参するなら今のうちじゃあ」  豪拳の威力を見せ付け、それでも退く気配のないあの人に番長さんは苦い顔をすると、拳を振り上げる  「覇王の…」  対するあの人は重心を低く、掌手を構える  「はああ」  そして、校庭を抉った拳とあの人の掌手が  「一撃!!」  「はあ!!」  激突した
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